もうひとつ、万券ゲットマンが多用している購入方法があります。
それは、一見乱暴に映るかもしれませんが、1頭穴馬を発見したら全部の馬番に流すこと、
そうです「総流し」です。
誰が考えても買えない馬券を、総流しをすることで、的中馬券として引っかけることができます。
これを「総流しバクダン作戦」と名づけました。
1頭穴馬をみつけるまでは裏づけのあるファクターで科学的に予想を進め、その後は、人知では計り知れないことをコラボすることで、リターンを飛躍的に高める戦術です。
8割を科学的に、残りの2割は神に託すのです。
所詮、「走っているのは動物で、乗っているのは赤の他人」ですからね(笑)。
説明のつかない法則のことを「アノマリー」ともいいます。
「人事を尽くして天命を待つ」という言葉のように、人事を尽くした先の未知なる部分は天命を待つ、という考え方です。
軸馬は「イン・セン・テン・キ・クン★スキ」作戦で、全知全能をかけて選び出し、残りの2割は「目にみえないもの」に託す、
このバランス感覚が大事なのです。人生と同じですね(笑)。
誰もが「来るわけないよ」と思っている(思えば思うほど)馬が馬券に絡むので、配当が高くなるわけです。
この「総流しバクダン作戦」は、何時間かけてもわからないものはわからないということで、予想時間に制約のある方には、時間を上手に使えるというメリットもあります。
だいたい、重賞競走以外のレースでは、出走メンバーをすべてに渡ってイメージすることなんて到底できません。
1頭予想できたら、あとはあまり深く考えなくてもいい方法ですから、その分、軸馬選びに全神経を集中させることができます。
まさに、戦略の基本である「選択と集中」という考え方で、限られた時間を効率よく使えます。
更に、ライブで応援する時も、とにかく狙った馬1頭だけをみていれば、回収額の高い・低いはさて置いて、的中したかどうかは一目瞭然なので、ストレスなく応援することができます。
長年、競馬をやってきて感じたことですが、理詰めで予想すればするほど、配当の低いほうへと流れていくものです。
これは当然のことで、好走するであろう要素は、誰がみても同じ傾向になるわけで、逆にいえば、レースの前に多くの人たちが予測できないことがレースで発揮されるから、穴馬券になるのです。
『麻雀放浪記』で有名な阿佐田哲也氏(この世界では伝説的なギャンブラー)は、「ギャンブルの王様は競輪」といっています。
「競馬はギャンブルじゃないですよ。馬がいて、人がいて、コースや距離、位置取りによっていろいろ変わってくる。不確定要素が多すぎます。そうなってくるともはやそれはギャンブルとはいえません」
(『競馬必勝放浪記』元木昌彦・祥伝社)
そうなんです。
競馬とは、そういった性質のゲームなのです。
不確定要素が多すぎるからこそ、リターンが期待できるのです。
このアノマリーを逆手に取るのです。
ここで、総流しというと16頭立てなら最初から的中しない馬券を14種類も買うことになるので、生産性が落ちるという反論があると思います。
ごもっともです。
しかし、超実践的には、実際に馬券を買っている時に、いわゆる「抜け目」を食らうと精神状態が不安定になります。
100円ケチって数万円、場合によっては数十万円馬券を取り逃がしたら、もう錯乱状態。
現実問題としてしばらくは投資どころか競馬にならない……なーんて
こともあります。
勝負事は「流れ」が大事です。
そりゃあ、結果論なら何とでもいえます。そして、人間である以上、いつも完璧な投資ができるとは限りません。
だからこそ〝人知の及ばない〟穴馬券を的中させるのが「総流し」ということになるのです。
「総流しバクダン作戦」でも、当然のことながら、狙い(軸)馬は、しっかりとした予想ファクターで検討します。
くどいようですが、相手となる(ヒモ)馬は、理屈を超えた世界で勝負するという発想です。
狙い馬は理屈通りに選定しますので、むやみやたらの「下手な鉄砲も数撃ちゃ当たる」とは明らかに異なるのです。
この点は強調しておきます。