それでは、「レース展開」に関する基本的事項と、予想する上でのノウハウとなることを整理していきましょう。
レース展開を予想する上での基本中の基本は、いうまでもなく、前項で述べた「馬の脚質」です。「逃げ」「先行」「差し」「追込み」の4種類でしたよね。
そして「逃げ」と「先行」が穴狙いには重要だとお話ししました。
ところが、まず世間の方々が勘違いしているのが、「逃げ・先行したい 馬」と「逃げ・先行できる馬」とを混同しているということです。
特に、レース前に候補は数頭いても、実際のレースが始まると1頭しか存在しない「逃げ馬」は、「逃げたい」がいつの間にか「逃げられる」と誤って解釈されていることが、実際のスポーツ紙上などでも後を絶ちません。
まあ、おかげでこちらは穴馬券にありつけるのですからありがたい話ですが、我々は新聞や雑誌のそういったコメントを決して信じてはいけません。
「○○セブンの単騎逃げは確実」なんていう記事、よくあるでしょ?
それで人気になって(なればなるほど)逃げることができないで直線ズブズブ……。
「おいおい、何やってるんだよぉ(汗)」と嘆いてもあとの祭りです。
「逃げ馬」は、気性的に臆病(繊細)である場合が多く、逃げられた時と逃げられなかった時の結果が極端に違ってきます。
特に、1200メートルの短距離戦はスタートと同時に全速力で走るので、テン3F(スタートから600メートル)が速い馬しか先行できません。
1000メートル戦なんかは、気分は競艇状態。スタートで勝負が決まってしまう感じです。
但し、1000メートル戦ともなるとさすがにテン(スタート)が速い韋駄天揃いですし、最初の1F(200メートル)の数字が決め手になりますが、これを比較する術がありません。
BSやスカパーで放送されているグリーンチャンネルを観て、すべてのレースを研究する時間ができたら、とは思いますけどパフォーマンスが低い?かもです。
したがって、短距離は1200メートル戦をメインに、1400メートル戦もというスタンスで考えていきます。
中距離以上なら、騎手が無理をすれば先に行けることがありますが、短距離では行きたくても行けません。
そこで、各競馬場のコース別の標準タイムの数値から、各馬の「先行(S)指数」を出し、先行できる馬を探してレース展開を検討するのです。
中山、阪神の直線には急坂があり、京都やローカル競馬場は平坦というように、ゴール前の直線のことは話題になりますが、スタート直後のことは世間であまり語られません。
もし知っていても、実際に数字で算出している人は、ほとんどいないと思います。
つまり、経営でいうところの「見える化」になっていません。
我々にとって、このアドバンデージは大きいと思います。
「コース別・テン3F標準タイム」表を掲載しますので、参考にしてください。