最初にお断りしておきたいことがあります。
この指数は、「短距離戦のレース展開を読むための指数」であって、この数値が高いから馬券の対象になるといった性格のものではないということです。
レース展開というのは、出走メンバーによって、まったく別ものになります。
同じレースに同型の馬がいる場合と不在の場合とでは、狙う度合いが全然違ったものになります。
このことは、超重要な考え方ですので、ぜひとも押さえておきましょう。
短距離戦の場合、スタートダッシュや二の脚が速い馬がハナ(逃げ)を切ったり、先行することができます。
だから、スタート後、最初の1Fの数値比較ができれば一番いいのですが、競馬新聞の紙面を見ても、記載がないので不可能です。
そこで、注目したのが、前半3Fの数値です。
これを比較すれば、どの馬が前半のスピードが速いかわかります。
但し、ここで注意しなければならないことは、この数値は単純には比較できないということです。
どういうことかというと、スタート直後のコース状態が、
①坂があるのか、平坦なのか。坂があるなら、上りなのか下りなのか
②芝コースなのか、ダートコースなのか
によって速いタイムが出たり遅いタイムになったりします。
つまり、コース別に算出するということが極めて重要になってきます。
先行(S)指数の算出方法
では、前頁の表の数値を使って、実際に「先行(S)指数」を出し、「レース展開」を予想する方法をご説明しましょう。
やたらと数字が出てくるので「面倒そうだなぁ……」と思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、指数については、毎週のブログで触れますのでご安心ください。
まず一つの例として、同じ1200メートルのダート戦でも、テン3Fタイムがまったく異なるということを確認しましょう。
競馬を始めてまだ日の浅い方は、ダートコース戦はスタートからダートだと思うでしょうが、実際は芝から始まるコースもあるのです。
特に、中山の1200メートルのダート戦は、スタートが芝でさらに下り坂のため、テン3Fが非常に速くなります。
別表「コース別・テン3F標準タイム」にある「ダート・中山・12M」の部分をご覧ください。
34.0秒という数値になっています。
これは、競馬ラボのホームページからデータを頂戴しています。
同じ1200メートルのダートでも、京都の数値をみてみると34.8秒。
京都の場合はスタートからダートで、しかも上り坂となっているからです。中山と京都のテン3Fの差は、実に0・8秒もあるということになります。
つまり、新聞の記録をみた時に、例えば中山で最初の3Fを34.1秒で走ったA馬と、京都で34.5秒を記録したB馬が対戦した場合、一見するとA馬のほうがテンに速く、B馬より先行できる感じに思えてしまいますが、「先行(S)指数」で比較してみると、
A馬は、
34.1秒−34.0秒=0.1秒
B馬は
34.5秒−34.8秒= ▲0.3秒
となって、その差0.4秒ほど、B馬のほうが先行できるということになるわけです。
と、このようにして出走馬の「S指数」を算出していくのですが、単純な計算の割には結構手間がかかります。
そこで、算出していく際のちょっとしたコツをお伝えしましょう。
専門紙の『日刊競馬』などをみてもらうと、馬柱のヨコに「レース展開」が記載されているのがわかると思います。
その一番上、つまり専門紙の誰かが予想した、先に行くと予想している馬の順番に、前走→前々走→前々々走とさかのぼってみていきながら「S指数」を算出していきます。
そして、算出したら馬柱の通過順位(□□□と四角で数字が囲まれている部分)をチェックして、
- 「S指数」が遅いのに前走で先に行く競馬をしていた馬は「展開に恵まれたなぁ」とか、
- 「S指数」が速いのに通過順位があまり前めでない数字だったら、「テンが厳しかったのでは?」
といった具合に推測していくのです。
こうやって文章で読んでいると、「なんだか面倒だな……」と思われるかもしれませんが、慣れてくれば誰にでも簡単にできます。
世間がやっていない「自分だけのオリジナル展開予想」で、ビッグなプレゼント(穴馬券)にありつけます。
ぜひお試しください。
先行(S)指数の修正
以上のことから、コース別に随分とタイム差があるんだなぁ、ということはご理解いただけたと思います。
でも、話しはここで終わりません。
今度は、同じ競馬場でも、開催の日によってタイム差がでてしますので、この修正も必要になります。
タイム差が生じてくるのは、
- 雨や風などの天候
- 開催が進んで馬場が痛んでくる
の要因が考えられます。
具体的なタイム差は、グリーンチャンネルの番組「先週の結果分析」にて「馬場差一覧」のデータを提供してくれています。
これを使って、テンの3Fに該当するタイムを独自に算出したものが、
「テン3F馬場差修正タイム」
ということになります。
これも、別表にて保存しておきますので、参考にしてください。
それにしても、こんな貴重なデータが、一瞬にしてみられるって、ホント、便利な時代になりました。
万券ゲットのための先行(S)指数
それでは、万券をゲットするために使用する「先行(S)指数」の算出方法をまとめておきましょう。
準備するデータは、
(A)コース別テン3F標準タイム
(B)テン3F馬場差修正タイム
この2つです。
算出式は、
万券ゲットのための先行(S)指数
=専門誌の前半3Fタイム±馬場差修正タイム(B)-標準タイム(A)
となります。
専門誌に記載されている各馬の前半3Fタイムを基に、
(B)の「馬場差修正タイム」にて修正し、
(A)の「標準タイム」を引くことで、
当該馬が本来持っている先行能力を数値化して比べることができます。
以上で、少々面倒そうな話しは終わります。
これまで読んでいただいていて恐縮ですが、現時点では分からなくても大丈夫です。
すべてのデータは、算出して本ブログにて公開しますので、ご安心ください。
しかし、データ数字の意味を理解しているのと、そうでないのとでは、馬券ライフの楽しさに大きな違いがでます。
ご自分でも算出できるようになると、馬券検討がより面白くなりますし、実際のレースを観戦していても、自分のレース展開の予想通りになった時など、ワクワク感が半端ないので、是非やってみてください。