言うまでもなく、普通に考えれば、実力があって人気の高い馬が馬券に絡むことになります。
したがって、「強い人気馬>実力が足りない人気薄の馬」という図式になってしまい、これでは「夢の万券ゲット」は、まさに夢のままで終わってしまいます。
そこで、不等記号が「<」と逆向きになるケースはどんな時かを考察する必要があるのです。
ここで、ある年の日本ダービー直前のスポーツ紙に掲載された、とある元調教師である大御所の興味深い発言をご紹介しましょう。
「(前略)それは難しい質問やね。競馬は流れが向いて展開の恩恵を受ける馬がいれば、その一方で同じだけ不利を受ける馬もいる。
ディープインパクトみたいに飛び抜けた馬じゃない限り、
馬場・枠順・展開……うまくいくことなんて半分くらいしかないし、残り半分はどんなに能力がある馬でも力を出し切れず負けてしまうケースが多いから(後略)」
そうです。
その通り! だと思います。
そして、この内容を別の角度から切り込むと、「馬場、枠順、展開次第で、本来能力的に劣っている馬でも馬券圏内へ突入できる」という仮説が成り立つのです。
この要素が大きければ大きいほど、弱いと評価されている人気薄、つまり高配当をもたらす万券ゲットとなる馬が、馬券に絡む可能性が高まることになります。
特に、穴馬券へのアプローチとして「レース展開」というキーワードが浮かび上がってきます。
展開の助けがあれば、実力の不足をカバーして人気薄の穴馬が馬券圏内に突入することが可能となるのです。
サラブレッドは繊細なハートを持った生き物ですので、このレース展開によって馬券の結果が大きく左右することが多々あります。
ハイリターンが期待できる人気薄の馬が、人気になっている強い馬を逆転できるのは「レース展開のアヤ」ということです。
もちろん、予想のファクターには、能力分析、過去のレースデータ、血統、調教、騎手、厩舎情報などなど、沢山あります。
もちろん、私もあらゆる角度で検討します。
但し、その中で一番重要視するファクターが、「レース展開」ということになります。